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歯磨き剤を用いない、各世代の健康歯肉

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20代前半
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30代前半
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40代
50代
60代
70代
80代

上記の健康歯肉は歯磨き剤を使わない方々の写真です。


「歯周病・抜かずに治す・自分で治す」

はじめに
 歯周病(歯槽膿漏、歯肉炎)の治療はむし歯治療とちがい、「歯医者任せ」では不可能です。
それは、歯周病という病気の原因が、毎日の食生活やブラッシングをはじめとする「あなたの暮らし方」にあるからです。糖尿病や高血圧と同じ生活習慣病であるため、家庭療法が大切になります。
そして、治療と再発予防、さらには抵抗力強化が同時進行しなければ、歯周病が治ることは望めません。

歯周病とは?
 まずは、歯周病と戦うにあたり、対戦相手をよく知ることからはじめましょう。
敵を知り、己を知ることが大切です。
敵=歯周病は歯肉とその下にある歯を支える骨(歯槽骨)の病気です。
この病気は取り残した細菌によって引き起こされる細菌感染症という側面があります。
したがって、原因細菌を徹底的に除去する方策が必要となります。
己=歯周病は口腔ないに常在する細菌に対する身体の抵抗力、防衛力が低下することきっかけに発病する病気という側面もあります。
したがって、歯肉や歯槽骨という局所の抵抗力をつける事と同時に、全身の抵抗力、免疫力をアップさせる必要があります。


技工が出来る歯科医院
「チーム医療」という事がいわれ、「技工は全て技工の専門家に任せるべき」との考えが現在の歯科界では一般的です。しかし、これでは歯周治療は成り立ちません。
特に歯周治療における部分入れ歯は、「型採りして来週完成」では間に合いません。その日、その場で出来なくてはならないのです。
また、暫間固定という装置の作製や調整には高度の技工テクニックが必要となります。
歯周組織の変化、改善にともなって歯は動きます。治療中の数分間で歯の位置は変わってしまいます。
この変化に合わせて、義歯や暫間固定装置を改造、もしくは作り直したりする必要があります。
そのためには、歯科医に高度な技工のテクニックが必要となるのです。

「百害あって一利無し」 歯磨き剤は毒素です。
歯周病治療の最大の武器の一つはブラッシングです。しかし、その効果を台無しにしてしまうものがあります。皆さんが毎日使っている歯磨き剤です。

 【歯磨き剤の害】

(1)長時間ブラッシングができない
  歯磨き剤は合成洗剤です。その上、研磨材や香料、発泡剤等多くの化学物質が混じっています。
台所洗剤とクレンザーを混ぜ、それに味と香りをつけたようなもの。手も荒れるし、鍋も傷つきます。 これでは、軟毛ブラシを用いた弱圧・微震動で長時間の突っ込み震わせ磨きやフォーンズ法はできません。

(2)磨けた気分
 
清涼感が得られるように香りと味がつけられています。このため、磨けていなくてもさっぱりした感じになってしまい、「磨けた」気分になってしまいます。
 
磨き残し
磨き残し・くさび状欠損

(3)泡だらけ
  泡だらけになるため、毛先がどこに当たっているのかが判らなくなってしまいます。
丁寧なブラッシングができず、歯垢除去もできなければ、歯肉回復・改善も図れません。

(4)くさび状欠損・歯肉退縮
  研磨材の弊害により、歯の付け根がV字型に削れてしまいます。
また、歯肉がいじめられ、後退し、歯根がむき出しになってしまいます。
くさび状欠損/左
くさび状欠損/正面
くさび状欠損/右
メタルとエナメルの傷

(5)歯しか磨かない
  我々人類の身体は良くできていて、毒素を弱い歯肉にこすりつけることを反射的に避けるようにブラッシングします。つまり、歯磨き剤をつけて磨いてきた人は、単に歯磨き剤の使用をやめただけでは、歯肉からブラシを離す癖が抜けていません。硬い歯だけをゴシゴシこする習慣を変えなければ、歯肉の改善、強化は不可能です。
歯磨き剤の効果として、歯の着色を落としたり、微量のフッ素を歯に適用するということがあります。
着色は徐々に着かなくなるものですし、気になる場合は医院で研磨できます。
フッ素も他の適用方法が沢山あります。
このように、歯肉にとって歯磨き剤は「百害あって一利無し」。毒素その物です。

重症歯周病の長期保存例
重症例
現在78才の方です

健康歯肉例
健康歯肉
現在84才の方です


 「ブラッシング」は「汚れ落とし」ではない

 最近では、TVや新聞・雑誌等多くのマスコミで歯周病の話題取り上げられるようになってきました。同時にブラッシングの話題も増えてきたように思います。
しかしながら、その中心となるのが「汚れ落とし」としてのブラッシングです。
「汚れ落とし=細菌除去」ですから、確かに一番大切な事ですが、こと歯周病治療に関して言えば、これだけでは片手落ちです。
ブラッシングには衛生状態向上とともに「口腔機能を賦活化」するという大切な役割があります。

「フォーンズ法・変法」の効果
 ブラッシングのもう一つの大きな役割は、歯周組織の強化です。
当院でも、そのために「突っ込み振るわせ磨き」に先立って、「フォーンズ法」を実施してもらうよう指導しています。あまり耳慣れないブラッシング法かも知れませんが、時折健康雑誌などに登場することがあります。日本語で「描円法」と訳され、外側の歯肉を大きく円を描くようにグルグルとブラシを動かす方法です。          

 
フットワーク / 朝日新聞社より

しかし、このフォーンズ法、歯肉の血液循環を速やかに改善させますが、治療開始初期に、図の通りに行うことは困難です。悪化させる結果となります。
当院でお伝えしているのはこの変法です。オリジナルのフォーンズ法は口腔容積の小さい日本人には不向きです。また、毛先でグルグルやってしまうと、弱った歯肉には逆効果。擦過傷をつくり、すぐに腫れてしまいます。歯肉の改善に合わせて、オリジナルのフォーンズ法へ変更していきます。
用いるブラシも通常の3列ブラシではなく、2列(時には1列)の非常に軟らかいブラシで、歯肉を広範囲に「撫でるように」「刷毛でそーっとはらうように」ブラシを運びます。
毛先で擦らず、毛束の腹の部分ではらうように、撫でるように丁寧にブラッシングします。
重症歯周病の治療初期であっても、上顎の天井の部分(口蓋)の真ん中は腫れていることはありません。
また、個々の患者さんの状態を診て、「フォーンズ法・変法」が可能な部分を探し、実地指導しています。
上下、裏表を1周か2周します。その前後のデジタル口腔内写真を比較してもらいます。
すると、全てのケースで歯肉の血液循環の改善がはっきりとみられ、水っぽく腫れた「浮腫」が引き、歯肉の色も形も変化してきます。血管一本一本の色が鮮やかになり、走行状態が明瞭になります。
たった1?2分の間の出来事です。
以下にその変化の写真を掲載します。
ホームページ上の写真精度ですので分かりにくいかも知れませんが、実際に見ていただくと、皆さんその効果を実感していただけます。
ただし、非常にデリケートに行わなければいけない方法ですので、いきなり闇雲に歯肉を擦ると、前述しましたが確実に悪化します。
「口腔内写真」の意味
口腔内写真を詳細に観察して、その人に合ったフォーンズ法・変法の実地指導を受ける事が必須です。
私たちは口腔内写真を内科の先生がルーティーンに行う血液検査と同じと考えています。
歯科における大切な「検査」です。デジタル化することで今まで20年以上取り続けてきたスライド写真の比較では気付かないことが多く判ってきました。


     
     
     
「浮腫」が引き、歯肉の色も形も変化しました。
この間、たった1〜2分間の出来事です。

 精咀嚼(せいそしゃく)
 フォーンズ法・変法、突っ込み振るわせ磨きによって歯肉の改善が進みます。
歯周病の原因菌を除去し、歯肉の血液循環の改善を手始めに、歯周組織を外側から賦活化することで、歯周病治療が進みます。
しかし、歯周病の一番の問題点は、ブラッシングできない歯槽骨(歯を支えている骨)や歯根膜が弱ってしまっていることです。
歯槽骨や歯根膜の血液循環は、どうやったら改善させられるのでしょうか?
そこで重要な役割を果たすのがよく噛むこと、精咀嚼です。
というと、フォーンズ法の時と同じで皆さん、「するめ」や「ガム」に走ってしまいます。
精咀嚼の一番のポイントは、硬いものを噛むのではなく、「抵抗なく噛めるものを数多く噛む」事です。
「するめ」は硬すぎます。ケガのもとです。「ガム」はどうでしょうか?硬い食品ではありません。
しかし、ガム=ゴムです。軟式テニスのボールを思い浮かべてください。軟らかいゴムボールで、人さし指と親指でつまむだけでクチャっとつぶれます。しかし、その後クルッと上下に二本の指がズレてしまいませんか?これと同じことが上下の歯の間に起こります。

歯周病で弱った歯は、ガムによって前後左右にゆすられてしまうのです。悪化の元です。
そこで、抵抗なく噛める軟らかい食べ物を、軽圧で数多く噛むことによって、ポンプ作用が働き、歯根膜内や骨内の血液循環を促すことが出来るのです。
また、ガムは自然界に存在する食品ではありません。ガムを一所懸命噛み続けると、歯は異常にすり減ってしまいます。要注意です。以下の異常なすり減りの実例を見てください。
開業歯科医の思い2 片山恒夫セミナー・スライド写真集 / 豊歯会刊行部より

「精咀嚼=骨のブラッシング」とでも言いましょうか。ブラッシングと精咀嚼で内と外からの改善が進みます。
そこでもう一つ重要な問題。噛み合わせがあります。
間違った噛み合わせや狂った顎位のまま精咀嚼を行なうと、一部の歯にストレスが集中して歯周病が悪化したり、また、全身のバランスを崩すことにもなりかねません。
そこで、ユラユラ揺れているような歯は斬間固定をします。歯肉の炎症の変化とともに歯は移動します。
歯の移動に合わせた慎重な噛み合わせ調整や顎位の修正が大切になります。
ここで、私たち歯科医の側も見落としている大きな問題があります。
「咀嚼運動と歯、歯並び」の関係です。噛み合わせや顎運動の診査・診断は、口腔内の模型を咬合器という装置に装着し、アゴの位置と動き(限界運動)を再現して行ってきました。しかし、これでは不十分なのです。私たちは、患者さんに実際に食品を咀嚼してもらい、その際の咀嚼運動の経路の記録を取ります。シロナソアナライジングシステムという装置と、咀嚼運動を再現できる特殊な咬合器を用いて診査します。
不正な咀嚼運動のまま歯周病治療を続けても、改善は望めません

 

正しい咀嚼運動を可能とするための歯の形態修正は非常に大切な治療のステップとなります。

とは言っても歯肉や歯槽骨は体の一部分。全身状態が悪いままでは歯周病は改善しません。
「三大栄養素=水・空気・太陽光線」が大切です。水がなければ人は生きていけません。解毒にも良質の水は大切です。太陽光はカルシウム代謝にとって大切といわれています。そして、空気・酸素が血管を通って全身の隅々にまで行き届かなくては、病気の改善は愚か、正常な日常生活を送ることも出来なくなってしまいます。
効果的に全身に酸素を取り入れる方法として、腹式呼吸法があります。日常の色々な場面で、簡単に、短時間で、誰にも気付かれずに実行できる方法です。是非実践してみたください。


 【ストレスと歯槽膿漏】

 現代人は、様々なストレスにさらされて生きています。
気分を奮い立たせるような適度なストレスというものもあるのでしょうが、過剰なストレスは肉体を衰えさせ、心も萎えさせてしまいます。
そんなストレスにより、歯槽膿漏の悪化に苦しんだ方の記録をご覧下さい。

【症例】
昭和18年生まれ、男性、会社員。
患者さんは古くから、私達の医院へ通院されている方です。当初は虫歯の治療が中心でした。
しばらくの間、安定した状態を保っていましたが、徐々に歯槽膿漏の症状が見られるようになりました。
年齢とともに、会社での地位も上がりますが、同時に責任も重くなって来ます。
「定年退職」が視野に入ってきた59〜60歳ごろ。毎月のようにあちこちの歯肉が腫れて来院していました。
「納期が迫って忙しくて…」「出荷のために残業が続いて…」「部下の教育が難しくて…」等々、仕事上のストレスにさらされる毎日でした。
十分とはいえませんが、けっしてブラッシングがまずい訳ではありません。確かには並びは悪いのですが、それなりにうまくブラッシングし、生活習慣にも気を配っていました。
しかし、それでも頻繁に「腫れる」のです。

定年前の口腔内の状態

特に上の奥歯の裏側が頻繁に腫れていました。この写真でも右上裏表の腫れと膿みの出口がわかります。
この後、結局数本の歯を失う事になってしまいました。
平成16年3月。とうとう定年退職の時がやってきました。
その直後から、患者さんはストレスからの解放による体調の改善を自覚するようになりました。
歯肉もまた然り。あれほど腫れと痛みに苦しんだ事などどこ吹く風。
急性症状が全く起こらなくなってしまったのです。
定年退職後の状態

ブラッシングの状態には大きな変化はなく、所々磨き残しも見られます。しかし、歯肉の引き締まりが進み、上顎前歯の間のすき間は大きくなり、上顎奥歯裏側歯肉の姿も変わってきました。
結局、定年退職後は一度も急性の腫れを起こす事なく、今日まで安定した状態を維持しています。
このように、ストレスが身体に与える影響というのは非常に大きいという事がわかります。
歯肉というのは特に敏感な組織です。体調変化のバロメーターにもなりますので、毎日歯肉を詳細に観察する事を習慣にしてください。


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