患者さんは昭和15年生まれの女性。

平成1年4月初診です。

主婦業、母親業、自宅のお仕事の他、ご自分でも職を持ち、沢山の会合にも積極的に参加されている方です。

主訴は右下奥歯の痛みと咀嚼不全でした。

平成3年に、一通りの処置を終了しました。ご本人の希望により、左下奥歯は部分入れ歯ではなく固定式の延長ブリッジで対処しました。

平成3年処置終了時口腔内写真

平成3年処置終了時口腔内写真

その後、平成13年に左下犬歯が破折し、次いで平成14年にはその二本後ろの第二小臼歯が破折してしまいました。いずれも縦に、薪を割ったように折れていました。

相談の結果、トコトン自分の歯を保存しようと決めました。

そして接着・再植という方法を選びました。

例え折れた歯でも一度歯槽骨から取り出し、消毒・接着して再植する事で再び歯として機能させる事が出来ます。
やはり、延長ブリッジでは、テコの作用から、土台の歯に負担をかけすぎます。
しかし、今回は、部分入れ歯にする場合、義歯の金具を掛ける第二小臼歯が破折してしまいました。
いくら接着・再植したとはえい、義歯の土台にするには不安です。

そこで、よく相談し、左下奥歯にインプラントを用いる事で、折れた歯を保護し、噛み合わせ、咀嚼機能も回復しようと言う事になりました。

あくまでもチタン製の人工物であるインプラントは、決して自分の持って生まれた歯以上になる事はあり得ません。定期健診と咬合調整等の微調整をかかさず、そして、いつか除去する可能性が有る事もご理解いただいた上でインプラントを採用しました。

implantを採用

平成20年6月の状態

平成20年6月の状態