入れ歯解体新書「声を創る」

『入れ歯に求められるもの』

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入れ歯に求められる事、条件とは何でしょうか?

よく「美味しく食べられる事」とか「若々しく奇麗な歯並びを取り戻す事」といった事が言われていますよね。

確かに、大切な事。これ無くして「良い入れ歯」とは言えないでしょう。

毎日を楽しく、美味しく、前向きに過ごす為には絶対必要な事です。

人生80年は当たり前の現代です。「定年後の青春」を謳歌する為には、今まで以上に「健康」の条件がアップしてきますよね。

夫婦でトレッキングに出かけるとか、家庭菜園で野菜作り、はたまた陶芸、俳句……等々、楽しそうな事が沢山ありますね。

若々しくありたい、美味しく食事を楽しみたいという条件は、入れ歯にとって当たり前の事です。

一方、士業の方等は「一生現役」!定年はありませんよね。

特に「声」や「息」、「呼吸」に関係するプロの皆さんが入れ歯に求める条件は、ただ痛くなく、なんでも食べられて、若々しい口元を回復しているだけでは不十分です。

「舞台のお仕事をされている方のおはなし」

本番中はもちろん、稽古でも、激しい動きと同時に息を叩き付ける様にして発声します。

普段、ご飯を食べたり、お茶を飲んだり、皇居ランニング…といった日常の仕草の中ではよく出来た入れ歯でも、激しい稽古には耐えられません。

台詞とともにものすごい勢いで口の外に飛び出してしまいます。

通る声、抑揚の効いた台詞、動きと共に発する言葉……。

これを創るのも入れ歯の大事な役割です。

他にも、大学で講義を受け持っている先生、政治家の先生方、セミナー講師の方々など。

長時間の講義、講演では、緊張もあるでしょう。

唾液の量も減って来ます。

また、入れ歯の周りは筋肉がいっぱいです。四方八方から揺すられながらの「聞きやすい話」は結構な重労働です。

そして、講演終了後には、参加者の皆さんとのパーティーが待っています。

ここでも、若い方々と談笑しながら、何不自由なく食事を楽しむ事が出来なくては、さっきまでの「カッコいい講演」も台無しです。こんなプロフェッショナルな入れ歯も、多くの方々から求められています。

そして、これからの時代、ますます必要性が増してくる事でしょう。

入れ歯解体新書「顔を創る」

入れ歯を通し、歯科治療全般や技工についての院長の経験や考え方を掲載。